ハレクラニ・ゴールデンオーキッド
(最優秀賞)
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長編劇映画部門
The Home Song Stories by Tony
Ayres
ドキュメンタリー部門
Beautiful Son by Don And Julianne King
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最優秀短編賞
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Pretend (Nagpapanggap) by Debbie Formoso
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観客賞 |
A
Love by Gwak Gyung Taek |
NETPAC |
Owl
and the Sparrow by Stephane
Gauger |
*日本からの出品作品はこちらから
記者会見なども行われる
ロイヤルハワイアンホテルの内部
歓談する映画祭出席者の皆さん
クロージングセレモニーの模様
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◆概観◆
インド・オーストラリアを含む環太平洋地域の映画振興のために81年に設立された映画祭、今年で27回目を数えた。映画祭名にも冠されているように現在はルイ・ヴィトンをメインスポンサーに迎えている。約40カ国の200本以上もの新作映画が一挙上映される同映画祭は、現地の人々にはしっかり定着している。スタート時には無料だった料金も現在では10ドルと映画祭にしては高く(*さまざまな割引を導入してはいる)、ちょっとした不満の声も聞かれたが、それでも観客動員数は伸び続け、今年度は延べ73000人を記録した。ハワイ州観光局もスポンサーに名を連ねている上にさらに今年から最高賞のスポンサーにはオアフを代表する高級ホテル・ハレクラニが付き、ハワイ挙げての文化イベントとしての様相を強めている。オアフ島での上映の後に数本が各島々を巡回するルートも出来上がっている。数年前までは春にも小規模に映画祭が行われていたが、現在は分かりやすく「スプリング・ショーケース」と銘打った上映イベントとなっている。
ハワイ映画祭では伝統的にセミナー・シンポジウムにも力を入れている。今回はベトナム映画についてのシンポジウムやアメリカに移民し映画製作に取り組む監督などについて活発な討論が繰り広げられた。次世代の人材育成にも熱心に取り組んでいる。「クラス・ヴィジット」というプログラムでは各国から映画祭に来ているプロの映画製作者を地元の高校に講師として招く取り組みで、日本の石井監督やタハラ監督も講師として中学・高校にて講義を行った。
国際的に活躍するアジア・環太平洋地区の映画人を功労賞として表彰、彼らの来場は映画祭に大きな華を添える。今年は韓国の若手俳優・イ・ジュンギがライジングスター賞を受賞して登壇、話題を振り撒いた。
土地柄を象徴するかのように事務局及びボランティアスタッフはたいへん温かい。また事務手続きは迅速かつ正確、総じて居心地の良い映画祭である。記者会見はもちろん、スポンサーでもあるロイヤルハワイアンホテルでのクロージングセレモニー(おそらくオープニングも)でも男性のほとんどがアロハシャツで出席(正装であるのは知っていてもやはり少なからず驚く)、リラックスモードを醸し出していた。
以前はホノルル市中心部の映画館も使用していたものだが、現在は出品作品の多くが中心地から車で10分-20分ほどのシネコン、ドール・キャナリー・シアターにて上映される。今回は短期滞在の上、審査対象作品の鑑賞に追われ、十分に映画祭の空気を味わう余裕がなかったのが大変残念であった・・・。
◆日本からの出品作品◆
概して肩を張らずにくつろいで観賞できる作品、そして若者向けのややエッジの効いた作品が多い。‘EAT,DRINK,FILM部門’(新設)やファミリー向け部門も充実し、家族での参加にも十分対応できるプログラム編成になっており、どちらの部門にも力のある日本作品が上映された。「SPOTLIGHT JAPAN」という部門が設けられていることからも日本映画への注目度の高さがうかがえる。
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