Humanitarian Awards
For Documentary
(人道に関するドキュメンタリー賞)
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最優秀賞 Nanking by Bll Gunttetag & Dan Sturman (USA)
優秀賞 Potosi, The Journey by RonHavilio
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Asian Digital Competition
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最優秀賞
Love Conquers All by Tan Chui-mui
優秀賞 Betelnut by Yang Heng
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国際批評家連盟賞 |
Betelnut by Yang Heng |
Fresh Wave Short Film Competiton(短編) |
Merry X’mas by Jevons
Au
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*日本からの出品作品はこちらから
街の中に飾られた、映画祭の旗 |
レトロスペクティブ上映会場の香港電影資料館 |
◆概観◆
2005年からは「香港エンターテインメント・エキスポ」の一環行事として開催、同時期には様々な芸能イベントもまとめて催される。このエキスポの顔となる今年のホスト役は、第1回に続いて再びトニー・レオン。市内のあちこちにエキスポの看板、そして映画祭の旗が飾られていた。毎年長期間にわたって開催される香港映画祭であるが、今年は香港フィルマートと同日スタートし、イースター休暇まで続行する慣例上、いつにも増して長い23日間の長丁場であった。香港フィルマートの期間中は映画祭も始まっているとはいえ、上映本数も会場もかなり限られている。フィルマート終了後が映画祭の本格的始動といえるだろう。映画祭上映会場は市内各地10箇所以上に点在し、カオルーン地区では香港文化中心(カルチャーセンター)、香港島においては市庁舎ホールがメインである。文化中心1Fでは関連イベントとしての映画関係の展示も毎年行われ、市民を楽しませている(今回は「カンヌ映画祭60周年記念写真展」)。幅広くアジア映画を上映することで定評がある同映画祭であるが、やはり特に香港や台湾・中国本土の作品の充実ぶりが光っている。が、アジア映画以外のセクションも多岐にわたり、観客はさまざまなジャンルの秀作を楽しめるプログラミングになっている。例年通りレトロスペクティブ上映(今回はリー・ハンシャン<李翰祥>)は香港電影資料館にて行い、また香港アートセンター主催のHong Kong Independent Short Film & Video Awardsを関連企画とするなど、他の映画・文化関係施設と協調する姿勢は今年もしっかりと維持されていた。さらに香港貿易発展局の熱心な後援のもと香港フィルマートと歩調を合わせたり、アジアフィルム・ファイナンシング・フォーラム及びアジアフィルムアワードの主催に回ったりとビジネスサイドへもより深く関わりつつある様子がうかがえた。
映画祭事務局内に飾られた、過去に行われたレトロスペクティブのポスター。
一番右は小津安二郎監督、その隣は清水宏監督のもの。
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◆日本からの出品作品◆
300本以上にのぼる多彩なプログラムの中には、例年同様に日本映画が多数含まれている。会期前半には日本でも話題を呼んだ「さくらん」、「バブルへGO!」が大々的に上映された。メインキャストと監督の来場に大いに盛り上がりを見せ、香港はもちろんのこと日本のメディアでも取り上げられた。また気骨のあるドキュメンタリーや個性的なアニメーション等、大作から低予算ながら創造性溢れるものまで、幅広いジャンルの日本映画を網羅している。距離的にも近いことから、韓国の釜山映画祭と並んで日本人監督・関係者の来訪は非常に多く、香港の観客のダイレクトな反応に刺激を受けているとの声を耳にする。
香港コンベンション&エキシビション・センター |
フィルマートのおしゃれな入口 |
◆フィルマート&HAF◆
今年で開催5年目の香港フィルマートは3月20日〜24日の4日間、ワンチャイ地区の大多目的イベント会場、香港コンベンション&エキシビション・センターにて開催され、アジア及び欧米からの多くの参加者で賑わった。日本からはTIFCOMやユニジャパンなどのブースの他にも製作・配給会社が多数参加していたのに加えて、各地のフィルムコミッションも熱心にプロモーション活動を展開していた。4日間の開催期間の中でも動きが活発なのはやはり最初の2日間であった(世界のどのマーケットも会期初めが盛り上がる)。5月半ばのカンヌマーケットに先立つ前交渉の場として機能している。またフィルマートの併催イベントとして、今年も香港/アジアフィルム・ファイナンシング・フォーラム(HAF)も3月20日から22日まで行われた。HAFは、アジアの映画製作者が製作資金の調達を目的に、世界各国から集まる金融関係者、投資家、配給会社、販売代理店に対しプレゼンテーションを行うフォーラム。これまでは香港貿易発展局の主催であったが、今年からは香港映画祭が主体となっての開催となった。今年は、世界13カ国/地域から25の映画製作プロジェクトが選出され、日本からは是枝裕和監督「Night‐fragrant Flower」(テレビマンユニオン)、黒沢清監督「東京サンタ」(Entertainment FARM)、そしてJIA
Zhangke監督の「Shuang Xiong Hui」(オフィス北野と中国のXstream Picturesとの合作)参加した。
◆アジア・フィルム・アワード◆
アジア・フィルム・アワードは日中韓や香港、イラン、インドなど、アジア各地でこの1年間で制作された映画を選考対象に、アジア映画の振興を目的に創設、アジア版アカデミー賞の様相を呈する。第1回受賞式は同日開幕した香港国際映画祭に合わせて20日夜、コンベンション・センターにて行われ、アジアを代表する豪華なゲスト陣が多数来場、華やかな演出で盛り上げた。日本からはHAF参加者の是枝監督や、映画祭で上映された「さくらん」の出演者として映画祭に参加していた木村佳乃、安藤政信両氏もプレゼンター務めた。10部門にわたる各賞は、アジア映画に精通した世界の国際映画祭ディレクターや映画評論家など17名で構成された審査員団が選出。最優秀作品賞には「グエムル〜漢江の怪物〜」(ポン・ジュノ監督/韓国)、また最優秀女優賞に「嫌われ松子の一生」に主演した中谷美紀氏が選ばれた。
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