アジアフォーカス福岡映画祭 公式ホームページ
http://www.focus-on-asia.com/index.shtml
◆概観◆ オープニング作品は、『秘境モォトゥオへ…』(中国)。中国全土で唯一自動車道路が通っていないという、チベット自治区のモォトゥオへの道中の模様を描いた作品だ。チベットの雄大な自然、そして素朴だけれどもパワフルな内容に、会場を埋め尽くした観客達は皆、熱心にスクリーンに見入っていた。監督のハースー・チャオルー氏も挨拶に立ち、観客達からの温かい拍手に感激している様子だった。第1回目からこの映画祭のディレクターを務めている佐藤忠男氏も、「ぜひこの映画を、福岡から世界へ発信したい」と述べられ、温かい熱気に包まれた中、映画祭は開幕した。 観客の年齢層はわりと高い。劇場公開されることの少ないアジア映画を観ることのできる機会とあって、福岡以外から訪れる人も見受けられる。地元の人々には、リピーターが多いようだ。リピーターといえば、映画祭のゲストたちの中にも、この映画祭には何度目かの出席、という人が多い。そういったゲストたちが揃って口にするのは、佐藤忠男・久子ご夫妻への感謝の言葉だ。お二人の映画に対する熱意や、その温かい人柄に感銘を受けている様子であった。もちろん、その他のスタッフのホスピタリティや、地元の人々の歓迎も素晴らしいということなのだろう。 上映されるほとんどの作品の監督や出演俳優が出席するため、上映後の質疑応答、また、会場の外で直接話しをしたり、サインをもらう、というような交流の場を、一般の観客も多く持つことができる。会場の規模がほどよい大きさなので、より一層、ゲストと観客は親近感を覚えるのかもしれない。 現在の“韓流”ブームを反映してか、韓国映画はことのほか大盛況であった。今回、韓国映画は4作品が上映され、私は『オー!マイDJ』(キム・ジンミン監督)しか観ることができなかったのだが、開場前にはすでに長蛇の列ができており、人々の関心の高さが伺えた。 ◆アジアの中の日本◆ 映画祭の開催に伴い、いくつかの協賛企画やフォーラムなどに加え、今年は「アジア太平洋映画祭」(毎年、アジア太平洋地域の都市で開催)が閉幕日の翌日から開催されることになっていたため、アジアマンスで賑やかな9月の福岡は例年にも増して、映画の話題で盛り上がったことだろう。 このように映画を通じ、アジア諸国との相互理解を深めていくというのは、とても素晴らしいことだ。映画の発展と国際交流の両方に貢献しているという点で、このアジアフォーカス福岡映画祭の存在意義はとても大きい。 |
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