公益財団法人川喜多記念映画文化財団
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コラム
◇高峰秀子さん追悼上映「二十四の瞳」2010年7月7日掲載 <<コラム一覧へ戻る
高峰秀子さんから 寄贈されたアルバムより |
1924年3月27日、北海道函館市で生を受ける。東京に住む叔母の養女となって間もなく、5歳にして映画デビューを果たし、松竹の天才子役として人気を博した。やがて成長とともに「デコちゃん」の愛称で親しまれ絶大な人気を誇るアイドルスターとなってゆく。その後「綴方教室」や「馬」などで少女スターから女優へと見事な変身を遂げ、戦後は五所平之助、小津安二郎、成瀬巳喜男、豊田四郎、木下恵介などの名匠作品に起用され、演技派女優、大スターとしての地位を築いた。
松山善三監督との結婚後も主演作が相次いだが、79年に映画界からの引退を宣言。以後は文才を発揮して数々のエッセイを発表し、高い評価を受けた。彼女は「子役出身に大女優はいない」というジンクスを見事に覆し、日本映画史が誇る大女優の一人として人々の記憶に焼きつけられている。
昨年末の12月28日午前5時28分、肺癌のため86年の生涯を閉じる。私たちは、昭和の映画史を彩った偉大な人物をまた一人失った。
このたび、鎌倉市川喜多映画記念館では、追悼上映として「二十四の瞳」(1954年)を上映いたします。高峰秀子さんの輝きを、スクリーンでもう一度ご覧ください。