●選考理由
　インナ・ゲンス氏は、1928年9月23日、エストニアのタルトゥに生まれ、レニングラード大学東洋学部藝術史学科を卒業、以来、モスクワの芸術研究所の東洋芸術部門で日本映画の研究に専念して、「日本映画と戦争−刀とヒロシマ」「三船敏郎の生活と仕事」「日本映画1960〜1976」「挑戦者たち−1960年代〜70年代の日本の映画監督」などの著書があり、「剣劇と庶民劇−日本古典映画のジャンル」もすでに脱稿、近く出版の予定であります。このほか、各種の刊行物に発表された日本映画に関する論文はおびただしい数に上り、日本にもこれまでに5回来ておられます。
　日ソ間の微妙な時代にも、常に変わらぬ友人として、モスクワ国際映画祭や日ソ映画シンポジウムの日本代表団全員を毎回自宅に招待して、歓待の限りを尽くされてきたことは、モスクワを訪れた日本映画関係者の深く感謝するところであります。

　　　　　　

贈賞式の模様（1991年3月20日）


川喜多賞本賞の宝塔を手にするインナ・ゲンス氏


贈賞式後のパーティにて（左・川喜多かしこ前理事長、右・三船敏郎氏）




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