公益財団法人川喜多記念映画文化財団

千代田区一番町18番地 川喜多メモリアルビル

所蔵資料

資料探訪
『映画館 その1』 〜保存資料を探訪します〜


 戦前の映画館です。建物がすっかり変わってしまった映画館、消えてしまった映画館も有りますが、写真とパンフレットなどで往時を偲んでみました。
 パンフレットと言っても、大半が週ごとに、その週に上映する作品の解説と、次週の予告を載せたものを無料配布していたものです。ですので、現在映画館で買うような立派なものではありませんが、各館が趣向を凝らした特徴ある楽しいものです。
 まず、一回目は有楽町近辺の三劇場です。

●『邦楽座』
 現在はマリオンにあるピカデリー劇場の前身です。館名は『邦楽座』から『丸ノ内松竹』再び『邦楽座』に、戦後アメリカ軍に接収されピカデリー劇場となり現在に至ります。       

 「ゼンダ城の虜」(1937年製作・1940年公開/ジョン・クロムウェル監督)上映
HOGAのOの字の下に松竹のマークが見えます。
 「民族の祭典」(1938年製作・1940年公開/
レーニ・リーフェンシュタール監督)上映に並ぶ人々。

  

劇場座席表(左)と「民族の祭典」チケット(右)
 


劇場パンフレット(1920年1月)
 
  

(1940年1月、3月のもの)
 


●『日比谷映画劇場』
 現在のシャンテファッションビル辺りです。有楽座と並んで"映画の街 日比谷"の顔のひと つでした。
      

 上映作品は「心の青春」
(1938年製作・1941年公開/リチャード・ウォーレス監督)
『生まれて半世紀!さよならフェスティバル』
1984年に「有楽座」と共に再開発のために取り壊されることになった時の、記念回顧上映のためのパンフレットです。

    

劇場パンフレット(左より1935年3月、5月、6月のもの)
 


●『帝国劇場』
 建物は違いますが、今でも皇居の堀に面して建ち、ミュージカルなどが上演される劇場として人々に愛されています。
      

 上映作品は「第九交響楽」
(1936年製作・1938年公開/デトレフ・ジールク監督)

  

「第九交響楽」上映と新交響楽団演奏会時の会場内の様子(左)と案内(右)
 
「我等の仲間」1937年4月29日封切りの
上映時刻表

    

劇場パンフレット(1923年4月、1937年2月、3月)