公益財団法人川喜多記念映画文化財団

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パノラマ

シナリオを書いてみませんか? その2  2012年8月28日掲載

 
 

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●柱について



「柱」は観客に強い、
インパクトを与えることができます

 「柱」はシナリオを書く上で、観客に強いインパクトを与えることができる要素であると書きました。「柱」は、その撮影される場所を限定するわけですから、「海辺の夕暮れ」と書けば、そこに登場する男女は恋人であることを表現しやすいですし、「自宅食堂」と書けば、そこに登場する人物は家族であることを印象づけることができます。刑事が証人に聞き込みにいくとき、その場所が他人から隔離された場所であるか、人の出入のある場所であるかで、刑事の証人に対する心使いが解り、刑事の性格も決まります。何も説明しなくても、映し出された場所で多くのことを物語ることができるのです。

 「柱」には昼間と夜、場合によっては朝、夕の区別を書く必要があります。ドラマを進めていく上で、その場面が昼間か夜かでその意味合いが大きく変わるからです。夜を入れることで、時間経過を表しますし、前後の関係から何も書かなくても自宅に帰ったことになりますので、登場人物の気持ちを変えることもできます。俳優は衣装を変えることなどが出来ます。余り自信の無いシナリオを持ってある大女優に出演交渉に向かったとき、「素晴らしいシナリオです」といわれてびっくりしたことがあります。理由を尋ねると、そのシナリオには結婚式場に行くシーン、お葬式に行くシーンがあったのですが、その中に夜がちゃんと入っているので着替えることが出来るとのことでした。夜がないと、両方の式に出られるような衣装を選ばなければならないので苦労するというのです。夜はいろんな意味合いを持ちます。 (次のページへ)


 

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