公益財団法人川喜多記念映画文化財団
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続・シナリオを書いてみませんか? その1 2012年10月3日掲載
●20枚シナリオ(1)
シナリオの枚数が完成する 作品の長さの目安となります。 |
前述の『シナリオを書いてみませんか?〜その4〜』で取り上げた「20枚シナリオ」のことですが、少し説明が足りなかったかなと反省しています。昔、シナリオは200字詰めの原稿用紙に書くことになっていましたので、この場合の20枚は200字詰めの原稿用紙で数えたものです。シナリオには空きスペースがありますので、パソコンで書く場合に何枚ぐらいになるかは、正確に掴めませんが、8枚から10枚の間くらいの分量でしょう。現実の脚本家は、パソコンの設定を一行20字に直して書いています。この枚数が重要なのは、出来上がりの作品の長さの目安となるからです。演出により、或いは格闘シーンなどの分量により、変わってきてしまい、あまり正確とは言えませんが、テレビドラマの場合、240枚で一時間番組の枚数と考えていました。
この20枚シナリオの勉強方法は、シナリオセンターの創設者であります新井一氏の考案によるものですが、初めてシナリオを書こうとする方には、大変便利な練習方法です。シナリオセンターが発刊している「月刊 シナリオ教室」には、今でも毎号、20枚シナリオの秀作が記載されています。これをお手本にすると、よい20枚シナリオが書けるでしょう。
さて、今までシナリオの書き方を説明してきましたが、映像化を期待しないシナリオでも、少しでも他人から「面白いね」と言ってもらいたいと思います。これから、面白く見せる20枚シナリオのこつを考えてみましょう。
シナリオでは、書く人の想像した映像を他人に伝える訳ですから、出来上がったものを他人に読んでもらった時に、自分が想像した映像と同じ映像を読んでもらった人に感じとってもらわなければなりません。書く人が面白いと思って書くわけですから、それを同じ映像として受け取ってくれた人も面白いと思ってくれるはずです。要するに、自分が想像した映像をよく分析して分かり易く書く必要があるのです。書き上げたら、必ず身近の人に読んでもらって、その人がイメージした映像を聞き出し、それが自分のイメージした映像と同じかどうかを確かめて下さい。同じならOKですが、違ったら何故違ったかを検証してみて下さい。それがよいシナリオを書く第一歩です。 (次のページへ)