公益財団法人川喜多記念映画文化財団
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続・シナリオを書いてみませんか? その1 2012年10月3日掲載
●20枚シナリオ(2)
作者の視点こそが作品の 良し悪しを決めるものです。 |
20枚シナリオを上手に書くもう一つの秘訣は、最後に“落ち”をつけることです。落語を研究して下さい。面白い落語には必ず“落ち”がつきます。新聞の「嘘クラブ」欄などにもこの感覚を見かけます。読者が思いもかけなかった結末を用意するのです。また、主人公に二つの選択肢を与えて、読者が望まない方の選択肢を選ぶのもこの手の一つで、読む人に強い印象を与えられます。その“落ち”で、主張したいと思っていること――視点――を具現化すればなお素晴らしいシナリオになります。この作者の視点こそ作品の良し悪しを決めるものなのです。前にも書きましたが、シナリオの良し悪しは、ただストーリーをこね繰り回すのではなく、あなたが何を書きたいか、どう思っているのかの視点を魅力的にはっきり書くことです。ありきたりであったり、もう既に評価の定まった考え方であったりせず、あなたの特異な視点を見つけて下さい。
ではその視点はどうやって見つけるのでしょう。それは、好奇心と観察力から生まれるものです。あなたの日常の身近な出来事から、あなたが思いついた面白い出来事を書き上げればいいのです。ただし、その視点が他人を傷つけたり、上から目線で書いたものではいけません。謙虚で、前向きで、書いている対象物に愛情をそそいでいることを感じさせなければ、読む人に感動を与えることはできないからです。